予測市場は注目を集めているものの、現状の多くのプラットフォームはアクセスしにくく、日常のインターネット利用とはかけ離れた存在です。Fliprはこれまでとは異なるアプローチを採用し、ユーザーがX上で直接取引できる仕組みを提供しています。各ベットはコンテンツとなり、簡単に共有・エンゲージメント・反論が可能です。

Fliprは取引をデフォルトで公開することで、マーケット参加をコミュニケーション体験へと変えました。可視性が重要な価値となり、ユーザーは予測を単に行うだけでなく、公開し、他者も積極的に参加できるようになります。

このUXにより、強力なフィードバックループが生まれます。ユーザーがベットすると、その内容がタイムラインに表示され、他のユーザーが真似したり、反論したり、引用したりします。結果、さらに多くの取引や参加者が集まり、手数料・報酬も増加。プロダクトはパブリックな使用によって成長します。

仕組み

FliprはPolymarket、および今後Kalshiと接続予定です。ただし独自インターフェースを構築せず、Xをフロントエンドとして活用します。ツイート内で@fliprbotをタグ付けし、方向と金額を指定することで取引が成立します。例：@fliprbot bet $100 yes

このシンプルさが新規ユーザーの障壁を取り除きます。ウェブサイト訪問やウォレット接続、新しいUIの習得は不要です。資金の入金、取引、結果の確認まで、すべてX上で完結します。

さらに、ユーザー同士がリアルタイムで反応し、評判を構築し、確信をパブリックに共有できるため、よりダイナミックな取引体験を提供しています。フィードが取引可能になるほど、発見しやすさと使いやすさも向上します。

Mindshare Miningキャンペーン

2025年7月5日、Fliprは「Mindshare Mining」という6週間のキャンペーンを開始し、Fliprの取引とXでの投稿の両方に報酬を付与します。期間中、合計1,000万FLIPRトークンが配布され、報酬は独自のスコアシステムに基づき週ごとに支払われます。

一般的な報酬プログラムでは取引量のみが重視されがちですが、「Mindshare Mining」では以下の5要素を評価します：

• 取引額：取引額が大きいほどポイントが高くなります
• 投稿タイミング：週ごとに早い投稿ほど価値が高まります
• 連続投稿：継続した投稿で報酬が増加します
• スパム対策：投稿の過剰はペナルティの対象となります
• エンゲージメント：インタラクションが多いほどスコアが上がります

この仕組みにより、質の高い活動が促されます。タイミングよく、内容の濃い取引や投稿が単なる取引量を上回る成果をもたらします。エンゲージメント稼ぎやスパム投稿は抑制され、質を重視する設計です。Fliprは供給量の1%を市場で購入し、Mindshare Miningキャンペーンを通じて全額をコミュニティに還元しました。

セクター成長

Fliprの可能性を理解するうえで、業界の代表的な実績を見てみましょう：

Polymarket

• 2024年の取引高は90億ドル超、米国選挙時には26億3,000万ドルのピークを記録
• 2024年12月時点のアクティブトレーダーは約314,500人
• 仮想通貨系予測市場プラットフォームで市場シェア70%超を維持
• 2025年5月は取引高11億ドル超で安定した活動を示唆
• 累計7,400万ドル調達、企業評価額は10億ドル

Kalshi

• 2024年の取引高は約19億7,000万ドルで前年の約10倍に成長
• 2024年の推定収益は2,400万ドル、前年比1,200%増
• 2025年半ばに1億8,500万ドルを調達、企業評価額は20億ドル
• CFTC承認の下、米国小売市場で完全合法で運営

両プラットフォーム合計で100億ドル超の予測取引を処理しており、この分野は高成長でメインストリーム化の初期段階にあります。

Kalshiの重要性

予測市場は大きく成長しています。Polymarketが拡大の流れを作り、KalshiはPolymarketの2倍の評価額で資金調達。多くの新規プロジェクトが競争を挑む中、Fliprは競合ではなく、補完的な役割を志向。PolymarketとKalshi両方にスマートなベータ型エクスポージャーを提供する戦略です。Kalshiとの統合は今後の協業の可能性も示唆します。

米国予測市場ユーザーにとって規制は依然として大きな壁です。Polymarketは国境を越えたサービスでユーザー数が多いものの、米国ユーザーは利用制限があります。一方、Kalshiは米国ユーザーも利用可能です。なお、スポーツベッティングは全取引高の75%にまで拡大し、3月は5億1,300万ドル、4月は4億5,300万ドルに達しています。

DraftKingsやFanDuelといった従来型スポーツブックは、州ごとの認可が必要なため11州で未展開、ベットごとに4～5%のハウスエッジが発生します。Kalshiは連邦規制のデリバティブ取引所として州制限を回避し、全米50州で利用可能。手数料はベットごとに1%のみです。

Kalshi統合

Fliprは米国内でCFTC規制下にある数少ない予測市場、Kalshiとの統合も進めています。Kalshiは最近1億8,500万ドルを調達し、企業評価額は20億ドル。米国ほぼすべての州で小売ユーザーが合法的に利用できますが、一般ユーザーにはアクセスが難しく、UIもプロや熟練向けです。

Fliprはより開かれた参入手段を提供し、Xに軽量なインターフェースを構築することで、ユーザーが普段使うフィード上にKalshi市場を表示します。これが新規ユーザーの参入障壁を下げ、Kalshi・Polymarket両者の流通チャネル拡大にもつながります。

FliprとKalshi両チームのパブリックなやり取りは積極的な協業姿勢を示します。統合が進めば、Fliprは米国規制下プラットフォームのソーシャルなフロントエンドとして機能し、クリエイターキャンペーン・公開取引・インフルエンサーの参加拡大などを通じて利用促進が期待できます。

展望（Flipr対Pcule）

Fliprは予測市場を一から再構築するのではなく、既存市場に新たなレイヤーを重ねることで、アクセス性・可視性・社会性を向上させています。

Polymarket・Kalshiがインフラ整備を中心に事業を展開するのに対し、Fliprはリーチの広さを重視。取引をコンテンツ化し、エンゲージメントが流通を加速。ユーザーは市場への参加と会話の両方を体験します。

Fliprは予測市場のソーシャルレイヤーとして新規ユーザーを呼び込み、公の場での確信を報いる一方、既存プラットフォーム同士を簡単かつ使いやすくつなぎます。

予測市場の勢いは増しているものの、従来プラットフォームには孤立・アクセス難といった課題が残されています。Fliprはユーザーが既に集まっているXで、スムーズで可視性の高い参加を可能にし、この現状を打破します。

PCULEがバックエンドのインフラやツール構築を重視する一方、Fliprはフロントエンド体験（ソーシャル性）に特化。この違いがポイントです。Xはリアルタイムベッティングに最適な場であり、FliprはXの1億5,000万超のデイリーアクティブユーザーを活用。彼らはニュースやイベントと普段から関わっており、これが摩擦を減らし、発見性を高めます。

まとめ

Polymarket上にKalshiを統合することで、Fliprは予測市場のベットに最適なボットとして地位を確立しつつあります。PolymarketもKalshiもトークン未発行、記事執筆時点でFliprの時価総額は400万ドルとなっており、1,000万ドル未満の注目の銘柄です。

最大のリスクは普及です。XユーザーがFliprを大規模に利用し、ベットを行うかどうかが焦点となります。

「Yes」と考えるなら、調査で示された取引高を踏まえてもアップサイドは非常に大きいでしょう。

Xのユーザー基盤が米国中心であることから、さらなるビジネスチャンスにつながります。FliprとKalshiチームのX上での交流も、今後の提携やKalshi側からの積極的な展開の可能性を示唆しています。

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